下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成22年 問2

【動画解説】法律 辻説法

【問 2】 マンションの管理組合A(以下本問において「A」という。)とマンション管理業者(マンション管理適正化法第2条第8号に規定する者をいう。以下同じ。)であるB(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 A及びBの債務が共に弁済期にある場合には、Aは、Bが委託業務に係る債務の履行の提供前であっても、委託業務費の支払債務の履行を拒むことができない。

2 Bが、A及びB双方の責めに帰することができない事由によって委託業務に係る債務を履行することができなくなったときには、Bは、Aに対して、委託業務費の半分の支払いを請求することができる。

3 Bが、Aの責めに帰すべき事由によって委託業務に係る債務を履行することができなくなったときには、Aは、Bに対して、委託業務費の支払いを拒むことができない。

4 Aが、Bに対して、管理委託契約の解除の意思表示をした場合でも、Aは、その意思表示を撤回することができる。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 3

1 誤り。双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる(同時履行の抗弁権)。したがって、Aは、Bの履行の提供があるまでは、委託業務費の支払債務の履行を拒むことができる。
*民法533条

2 誤り。当事者双方の責めに帰することができない事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者(A)は、反対給付の履行を拒むことができる(危険負担における債務者主義)。したがって、AはBに対して委託業務費の「全部」の支払を拒むことができる。
*民法536条1項

3 正しい。債権者(A)の責めに帰すべき事由によって債務を履行することができなくなったときは、債権者は、反対給付の履行を拒むことができない。したがって、Aは、Bに対して、委託業務費の支払いを拒むことができない。
*民法536条2項

4 誤り。解除の意思表示は、撤回することができない。
*民法540条2項