下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成21年 問30

【問 30】 あるマンションで当該マンションの区分所有者Aが自分を含め25名の区分所有者の署名を集めたとし、「収支決算に関する会計監査の問題点について」を議題とする臨時総会の招集を管理者である理事長に請求した場合における次の記述のうち、区分所有法によれば、最も不適切なものはどれか。 なお、このマンションは総戸数100戸、1住戸1議決権の定めがあり、複数の住戸を所有している者はいない。また、当該マンションの管理規約には、区分所有者の総会招集請求権は、区分所有者及び議決権の各4分の1以上の者の請求によると定められている。

1 Aが自分の署名のみを示し、他の署名者の氏名を示さなければ、理事長は総会招集請求に応ずる必要がない。

2 Aを含む25名の総会招集請求を受け理事長が招集する総会の招集日は、Aらが理事長に対し総会の招集請求をした日から4週間経過後の日でなければならない。

3 Aを含む25名の総会招集請求に理事長が応じない場合は、Aらは自ら総会を招集することができるが、総会当日に「規約変更の件」の議題を追加して決議することはできない。

4 Aを含む20名の区分所有者の署名があれば、総会の招集を請求することができる。

【解答及び解説】

【問 30】 正解 2

1 適切。区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができる。しかし、本肢ではAのみの署名で理事長に対して総会の招集請求をしており、これでは区分所有者の5分の1の署名があったかどうかはっきりしないので、このような総会の招集請求は認められない。
*区分所有法34条3項

2 不適切。集会の招集請求があった場合は、管理者は、2週間以内にその請求の日から4週間以内の日を会日とする集会の招集の通知を発しなければならない。集会の招集請求をした日から4週間経過後の日ではない。
*区分所有法34条4項

3 適切。集会においては、招集通知で通知した事項についてのみ、決議をすることができるので、総会当日に「規約変更の件」の議題を追加して決議することはできない。
*区分所有法37条1項

4 適切。区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものは、管理者に対し、会議の目的たる事項を示して、集会の招集を請求することができるが、この定数は、規約で減ずることができる。しかし、規約でこの定数を増加させることはできないので、本問のように規約で4分の1と定めることはできず、このような規約は無効であり、区分所有法の規定通り、区分所有者の5分の1以上で議決権の5分の1以上を有するものがいれば集会の招集を請求することができる。本問で、区分所有者及び議決権の5分の1以上というのは、区分所有者20名以上ということになる。
*区分所有法34条3項