下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成20年 問39

【問 39】 次の文章は、マンションの管理人室をめぐる最高裁判所の判決に基づくものであるが、文中の(ア)から(エ)に入る用語の組合せとして、最も適切なものはどれか。なお、判決の原文に若干の修正をしている。

「本件マンションにおいては、区分所有者の居住生活を円滑にし、その環境の維持保全を図るため、その業務に当たる管理人を常駐させ、多岐にわたる管理業務の遂行に当たらせる必要があるというべきであるところ、本件マンションの玄関に接する( ア )である管理事務室のみでは、管理人を常駐させてその業務を適切かつ円滑に遂行させることが困難であることは認定事実から明らかであるから、本件管理人室は管理事務室と合わせて一体として利用することが予定されていたものというべきであり、両室は機能的にこれを分離することができないものといわなければならない。そうすると、本件管理人室には、( イ )があるとしても、( ウ )はないというべきであり、本件管理人室は、( エ )とはならないものと解するのが相当である。」



【解答及び解説】

【問 39】 正解 2

本問判例(平成5年2月12日)は、全体を読むと、管理事務室と一体となった管理人室が専有部分か共用部分かについての文章である。
まず、管理事務室は「管理人を常駐させてその業務を適切かつ円滑に遂行させる」という部分から、(ア)は「共用部分」が入ることになる。
そして、管理人室は「管理事務室と合わせて一体として利用することが予定されていた」という文章から、構造上の独立性はあるが、利用上の独立性はないということで、(イ)には「構造上の独立性」、(ウ)には「利用上の独立性」が入る。
構造上の独立性があるが、利用上の独立性がないわけであるから、「区分所有権の目的」(専有部分)とはならないとなるので、(エ)は「区分所有権の目的」が入ることになる。
以上より、(ア)=共用部分、(イ)=構造上の独立性、(ウ)=利用上の独立性、(エ)=区分所有権の目的となり、正解は肢2となる。