下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成20年 問13

【問 13】 管理組合の管理事務に要する費用の負担及び支払い方法に関する次の記述のうち、マンション標準管理委託契約書の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

1 管理事務の範囲・内容と定額委託業務費の関係を明確にするため、見積書等でその内訳を明示し、当事者間で合意をしている場合を除いて、管理委託契約に定額委託業務費の内訳を明示しなければならない。

2 管理組合は、管理事務として委託する事務(マンション標準管理委託契約書別表第1から第4までに定める事務)のために管理業者に支払われる委託業務費のほか、管理業者が管理事務を実施するのに必要となる共用部分の水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用も負担する。

3 管理員室の使用に係る諸費用(水道光熱費、通信費、備品、消耗品費等)は、管理組合が管理業者に管理事務を行わせるために不可欠であるので、管理組合が負担する。

4 管理業者は、事前にその発生を予測することが極めて困難な天災地変による災害、漏水又は火災等の偶発的な事故等の事由により、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的余裕がないものについては、管理組合の承認を受けないで実施することができ、管理組合は、管理業者の責めによる事故等の場合を除いて、当該業務の遂行上やむを得ず支出した費用については、管理業者に速やかに支払わなければならない。

【解答及び解説】

【問 13】 正解 3

1 適切。定額委託業務費の内訳を明示することにより、管理事務の範囲・内容と定額委託業務費の関係を明確化している。なお、適正化法第72条に基づき管理委託契約締結前に行う重要事項説明等の際に、管理業者が管理組合に対して見積書等であらかじめ定額委託業務費の内訳を明示している場合であって、当事者間で合意しているときは、管理委託契約に定額委託業務費の内訳を記載しないことができる。
*標準管理委託契約書6条関係コメント①

2 適切。管理組合は、委託業務費のほか、管理業者が管理事務を実施するのに伴い必要となる水道光熱費、通信費、消耗品費等の諸費用を負担するものとされている。
*標準管理委託契約書6条4項

4 適切。管理業者は、災害又は事故等の事由により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲の承認を受けないで実施することができる。そして管理組合は、管理業者がこれらの業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、管理業者に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りでない。
3 最も不適切。管理業者に管理事務を行わせるために不可欠な管理事務室等の使用に係る費用の負担は、管理組合(又は管理業者)の負担とするとされており、必ずしも管理組合が負担するとは限らない。
*標準管理委託契約書7条2項

4 適切。管理業者は、災害又は事故等の事由により、管理組合のために、緊急に行う必要がある業務で、管理組合の承認を受ける時間的な余裕がないものについては、甲の承認を受けないで実施することができる。そして管理組合は、管理業者がこれらの業務を遂行する上でやむを得ず支出した費用については、速やかに、管理業者に支払わなければならない。ただし、乙の責めによる事故等の場合はこの限りでない。
*標準管理委託契約書9条