下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成20年 問10

【動画解説】法律 辻説法

【問 10】 マンションの管理費の滞納に対する対策に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 管理費の滞納者に対し、文書で催告する場合、普通郵便でも法律上は効力を有するが、内容証明郵便にすることが望ましい。

2 管理費の滞納者を被告として訴えを提起する場合、その滞納者が当該マンション以外の場所に住所を有するときでも、マンションの区分所有権に係る専有部分を被告の住所地としなければならない。

3 通常の売買ではなく、競売によりマンションの区分所有権を買い受けた者は、前区分所有者の滞納管理費の支払義務を承継しない。

4 管理費の滞納者に対し、訴訟を提起する場合、遅延損害金のほかに弁護士費用その他の訴訟に要する費用を請求できる旨を規約に定めることはできない。

【解答及び解説】

【問 10】 正解 1

1 適切。管理費の滞納者に対して催告することは、時効の完成猶予などで意味を持ってくるが、この催告は特に形式を要求されていないので、普通郵便でも法律上は効力を有するが、内容証明郵便にすることによって文書が証拠として残るので望ましい。
*民法150条参照

2 不適切。訴えは、被告の住所の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。
*民事訴訟法4条1項

3 不適切。債務者たる区分所有者に対する債権は、その特定承継人に対しても行うことができる。これは競売により区分所有権を買い受けた者も同様である。
*区分所有法8条

4 不適切。金銭債務の不履行者に対して遅延損害金のほかに弁護士費用その他の訴訟に要する費用を請求できる旨を定めることはできる。標準管理規約でも、同様の内容の定めがある。
*標準管理規約60条2項