下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成20年 問2

【動画解説】法律 辻説法

【問 2】 マンション(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成12年法律第149号。以下「マンション管理適正化法」という。)第2条第1号に規定するものをいう。以下同じ。)のA管理組合(以下本問において「A」という。)とBマンション管理業者(以下本問において「B」という。)との間で管理委託契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして契約の重要な部分に錯誤があった場合には、Aは、過失があったときでも、重過失がない場合には、Bに対して、契約の取消しを主張することができる。

2 管理委託契約が、AとBとの通謀虚偽表示であった場合でも、そのために契約の効力は妨げられない。

3 管理委託契約が、第三者CのAに対する詐欺によってなされた場合には、Bは、契約を取り消すことができる。

4 Bが管理委託業務を履行期に履行しない場合には、Aは、直ちに契約を解除することができる。

【解答及び解説】

【問 2】 正解 1

1 正しい。法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして意思表示の重要な部分に錯誤があったときは、取り消すことができる。ただし、表意者に重大な過失があったときは、一定の場合を除き、表意者は、自らその取消しを主張することができない。したがって、表意者に軽過失しかない場合は、錯誤による取消しを主張することができる。
*民法95条3項

2 誤り。相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
*民法94条1項

3 誤り。詐欺による意思表示は、取り消すことができる。これは、詐欺された者(A)が取り消せるのであり、相手方(B)から契約を取り消せるわけではない。
*民法96条1項

4 誤り。当事者の一方がその債務を履行しない場合において、原則として、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときでなければ、相手方は、契約の解除をすることができない。直ちに、解除できるとは限らない。
*民法541条