下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成18年 問37

【問 37】 マンションの敷地内駐車場に、マンションとは無関係の第三者Aの車両が継続して違法に駐車されている場合における次の組合員の意見のうち、最も適切なものはどれか。

1 違法駐車なのだから、理事長は保存行為として、レッカー車による強制移動をすることができる。

2 規約を改正して違法駐車について違約金の定めを置き、それに基づき違約金を徴収することができる。

3 理事長は、Aに対し、違法駐車による損害賠償金の請求をすることができる。

4 Aに対する車両の撤去請求の訴訟は、Aが行方不明の場合にはできない。

【解答及び解説】

【問 37】 正解 3

1 不適切。管理者は、共用部分、建物の敷地及び附属施設を保存する権利を有し、義務を負うが、違法駐車の車両をレッカー車で強制移動することは保存行為の範囲を超えていると考えられる。
*区分所有法26条1項

2 不適切。規約で定めることができる事項は、建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する「区分所有者相互間」の事項である。第三者の違法駐車のような事項について規約で定めることはできない。
*区分所有法30条1項

3 適切。管理者は、共用部分等について生じた損害賠償金の請求及び受領について、区分所有者を代理するので、Aに対し、違法駐車による損害賠償金の請求をすることができる。
*区分所有法26条2項

4 不適切。相手方の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合には、公示送達の方法により訴訟を提起することができる。
*民事訴訟法110条1項1号