下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成18年 問35

【問 35】 あるマンションの総会の議長が行った次の行為のうち、マンション標準管理規約によれば、最も適切なものはどれか。

1 1住戸が2名の共有の場合、あらかじめ議決権行使者としての届出のなかった共有者1名に議決権を行使させた。

2 普通決議事項につき、自分の賛成票を加えて可否同数になったので、議案が否決されたものとした。

3 あらかじめ通知した議案ではないが緊急動議が出たため、これを取り上げ採決した。

4 総会の議事録に、議長の指名する3名の総会出席者に署名をさせたが、議長本人は、署名押印をしなかった。

【解答及び解説】

【問 35】 正解 2

1 不適切。住戸1戸が数人の共有に属する場合、一の組合員とみなされる者は、議決権を行使する者1名を選任し、その者の氏名をあらかじめ総会開会までに理事長に届け出なければならない。この届出のなかった共有者に議決権を行使させることは不適切である。
*標準管理規約46条3項

2 適切。総会の議事は、出席組合員の議決権の過半数で決するので、可否同数の場合は「過半数」とはいえないので、議案は否決されたものとして扱うのが適切である。
*標準管理規約47条関係コメント②

3 不適切。区分所有法では、集会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議をすることができるとされているが、この点について規約で別段の定めをすることを妨げない。しかし、標準管理規約では、総会においては、あらかじめ通知した事項についてのみ、決議することができるとされており、標準管理規約で別段の定めがされているわけではないので、緊急動議を取り上げ採決することは不適切である。
*標準管理規約47条10項

4 不適切。議事録には、議事の経過の要領及びその結果を記載し、「議長」及び議長の指名する2名の総会に出席した組合員がこれに署名しなければならない。議長の署名は必ず必要である。
*標準管理規約49条2項