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管理業務主任者 過去問解説 平成18年 問30

【問 30】 あるマンションの総会に関する次の理事会の措置のうち、区分所有法及びマンション標準管理規約の定めによれば、最も不適切なものはどれか。

1 駐車場増設工事の議題につき、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要な特別決議事項である旨を記載せずに議案書を作成配布した。

2 管理組合の法人格取得の議題につき、法人格取得のメリットや理由を記載せずに議案書を作成配布した。

3 管理規約改正の議題につき議案の要領を通知せず、会議の日時、場所及び目的のみ記載した総会案内を作成配布した。

4 外壁タイルの一部落下の復旧工事の議題につき、工事業者の名称、工事金額の概算及び同工事に要する費用は修繕積立金の取り崩しによることを記載し、他の事項は理事会に一任する旨の議案書を作成配布した。

【解答及び解説】

【問 30】 正解 3

1 適切。駐車場増設工事は重大変更に該当し、総会の特別決議が必要な事項で、「議案の要領」が必要であるが、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要である旨の記載は不要である。
*区分所有法35条5項

2 適切。管理組合の法人格取得は、特別決議事項ではあるが、議案の要領は不要であるから、法人格取得のメリットや理由までの記載は不要である。
*区分所有法35条5項

3 不適切。規約の設定・変更・廃止は、総会の特別決議事項であり、議案の要領を記載する必要がある。
*区分所有法35条5項

4 適切。外壁タイルの一部落下の復旧工事は、軽微変更であり、議案の要領の記載は不要である。なお、理事会は「総会から付託された事項」を決議することができるので(標準管理規約54条9号)、「他の事項は理事会に一任する旨」の記載も有効である。
*区分所有法35条5項