下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成17年 問39

【問 39】 ある管理組合法人において、「理事に事故があり、理事会に出席できないときは、その配偶者又は一親等の親族に限り、これを代理出席させることができる」旨の規約を設けていた場合に関する次の記述のうち、判例によれば、最も不適切なものはどれか。

1 管理組合法人に複数の理事を置いた場合の意思決定を理事会によって行うか否かについては、規約に委ねられていると解するのが相当である。

2 管理組合法人に理事会を設けた場合の各理事の出席の要否及び議決権行使の方法については、規約に委ねられていると解するのが相当である。

3 管理組合法人に理事会を設けた場合において、理事が自らの代理権について包括的に他人に委任し代理させることは許されないから、当該理事会に理事の代理人が出席することはできないと解するのが相当である。

4 管理組合法人に理事会を設けた場合の出席及び議決権行使が代理に親しむかどうかについては、当該法人において当該理事会が設置された趣旨や当該理事会に委任された事務の内容に照らして、その代理が法人の理事に対する委任の本旨に背馳(はいち)するものでないかどうかによって決すべきものである。

【解答及び解説】

【問 39】 解答 3

1 適切。理事が数人あるときは、各自管理組合法人を代表するが、その意思決定自体について理事会によって行うか否かについては、区分所有法に規定がなく、規約に委ねられていると解するのが相当である。
*区分所有法49条4項参照

2 適切。区分所有法には、そもそも理事会に関する規定はなく、理事会を設けた場合の各理事の出席の要否及び議決権行使の方法については、規約に委ねられていると解するのが相当である。

3 不適切。理事は、規約又は集会の決議によって禁止されていないときに限り、「特定の行為」の代理を他人に委任することができるという区分所有法の規定があるので、理事が包括的に代理権を他人に委任することは許されないが、本問の規約は「理事に事故があり、理事会に出席できない」場合に理事会への代理出席を認めているのみであるから、包括的な代理権の委任ではないので、本問の規約も有効であり、本肢の文章は不適切である。
*区分所有法49条の3

4 適切。区分所有法には、管理組合法人の理事会についての規定はないので、理事会を設けた場合の出席及び議決権行使については、本肢のような内容を考慮して決するというのは適切である。