下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成17年 問31

【問 31】 一団地内にA、B、Cの3棟の区分所有建物が存し、その団地内の土地が3棟の区分所有者全員の共有になっている場合の建替え決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 A棟を現在の建物と同一規模の建物に建替える場合には、A棟のみの建替え決議があれば足り、団地集会での建替え承認決議は不要である。

2 A棟を建替えることによってB棟及びC棟の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、A棟のみの建替え決議のほか、B棟及びC棟において、それぞれ建替え承認決議が必要である。

3 A、B、Cの3棟を一括して建替えを決議するには、規約で、A、B、Cの3棟を団地管理組合が管理していることが必要である。

4 A、B、Cの3棟を一括して建替えを決議する場合には、その団地内建物の区分所有者及び議決権の各5分の4以上による賛成のほかに、各棟ごとに決議し、区分所有者の3分の2以上で議決権の3分の2以上を有するものが賛成しなければならない。

【解答及び解説】

【問 31】 解答 3

1 誤り。一団地内にある数棟の建物の全部又は一部が専有部分のある建物であり、かつ、建物の所在する土地が団地建物所有者の共有に属する場合においては、建替えをする建物の建替え決議のみでなく、団地集会での建替え承認決議が必要である。
*区分所有法69条1項

2 誤り。建替え承認決議が必要な場合において、建替え承認決議に係る建替えが当該特定建物以外の建物の建替えに特別の影響を及ぼすべきときは、当該「他の建物の区分所有者全員」の議決権の4分の3以上の議決権を有する区分所有者が当該建替え承認決議に賛成しているときに限り、当該特定建物の建替えをすることができる。したがって、B棟及びC棟において、「それぞれ」建替え承認決議が必要なのではなく、「B棟及びC棟の区分所有者全員」の議決権の4分の3以上の議決権を有する区分所有者が当該建替え承認決議に賛成していることが必要である。
*区分所有法69条5項

3 正しい。団地内建物の全部が専有部分のある建物であり、かつ、当該団地内建物の敷地が当該団地内建物の区分所有者の共有に属する場合において、当該団地内建物について団地規約が定められているときは、一括建替え決議をすることができる。
*区分所有法70条1項

4 誤り。団地管理組合の集会において、当該団地内建物の区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で一括建替え決議をすることができる。ただし、「当該集会」において、当該各団地内建物ごとに、それぞれその区分所有者の3分の2以上の者であって議決権の合計の3分の2以上の議決権を有するものがその一括建替え決議に賛成した場合でなければならない。したがって、各団地内建物ごとの区分所有者及び議決権の合計の3分の2以上の賛成は、各棟ごとに決議する必要はなく、一括建替え決議の集会において得られればよい。
*区分所有法70条1項