下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成17年 問29

【問 29】 動物の飼育に関する規制がないマンションで、その飼育を規制する規約を定める場合に関する次の記述のうち、区分所有法の規定及び判例によれば、最も適切なものはどれか。

1 動物の飼育による実害の発生がない場合には、動物の飼育を制限する定めを置く規約は無効である。

2 動物の飼育を制限する規約のほか、動物の飼育に関連する事項のうち手続等の細部の規定についても、集会において、区分所有者および議決権の各4分の3以上の特別決議が必要である。

3 既に動物を飼育している賃借人は、動物飼育制限の議題につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。

4 既に動物を飼育している区分所有者がいる場合、動物の飼育を制限する規約を定めるには、動物の飼育をしている区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成が必要である。

【解答及び解説】

【問 29】 解答 3

1 不適切。マンションにおいて、動物の飼育を制限する規約の定めは、具体的な被害の発生を問わず一律に禁止する場合でも、その規約は当然に無効であるとはいえないとするのが判例である。

2 不適切。動物の飼育を制限する規約について、さらに動物の飼育に関連する事項のうち手続等の細部の使用細則を定めることができ、これは集会の普通決議で定めることができる。

3 適切。区分所有者の承諾を得て専有部分を占有する者は、会議の目的たる事項につき利害関係を有する場合には、集会に出席して意見を述べることができる。既に動物を飼育している賃借人は、利害関係を有しているといえる。
*区分所有法44条1項

4 不適切。規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の多数による集会の決議が必要であるが、これはすべての区分所有者で決議するものであり、既に動物を飼育している区分所有者の特別多数決が必要だというわけではない。
*区分所有法31条1項