下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成17年 問8

【問 8】 マンション標準管理委託契約書における有害行為の中止要求に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 管理会社は、管理組合員が所轄官庁から改善命令を受けるとみられる違法行為を行っている場合は、その中止を求めることができる。

2 管理会社は、マンションの専有部分の占有者が建物の保存に有害な行為をした場合、当該占有者ではなく当該専有部分の区分所有者に中止を求めなければならない。

3 管理会社は、管理組合員の管理規約に違反する行為に対しては、その中止を求めることができるが、使用細則に違反する行為に対しては、中止を求めることができない。

4 管理会社は、管理事務の適正な遂行に著しく有害な行為を行った管理組合員に対して、中止を求めたにもかかわらず中止しなかった場合でも、その責めを免れず、その後も中止等の要求をしなければならない。

【解答及び解説】

【問 8】 解答 1

1 最も適切。管理業者は、組合員が「所轄官庁の指示事項等に違反する行為又は所轄官庁の改善命令を受けるとみられる違法若しくは著しく不当な行為」を行っている場合は、その行為の中止を求めることができる。
*標準管理委託契約書12条1項3号

2 不適切。「建物の保存に有害な行為」というのは、有害行為の中止要求の対象になるが、この中止要求は、「組合員及びその所有する専有部分の占有者」に対して行うことができるので、区分所有者に中止を求めなければならないわけではない。
*標準管理委託契約書12条1項2号

3 不適切。管理業者は、組合員が法令、管理規約、「使用細則」又は総会決議等に違反する行為を行っている場合は、その行為の中止を求めることができる。
*標準管理委託契約書12条1項1号

4 不適切。「管理事務の適正な遂行に著しく有害な行為」というのは、有害行為の中止要求の対象となるが、管理業者は、有害行為の中止を求めても、なお組合員等がその行為を中止しないときは、書面をもって管理組合にその内容を報告しなければならない。そして、この報告を行った場合、管理業者はさらなる中止要求の責務を免れるものとし、その後の中止等の要求は管理組合が行うものとする。
*標準管理委託契約書12条4項