下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成17年 問3

【問 3】 Aが区分所有するマンションの専有部分について、Bのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされた場合に関する次の記述のうち、民法及び建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)の規定によれば、誤っているのはどれか。

1 Bのために抵当権が設定され、その旨の登記がなされた後に、Aが区分所有するマンションの専有部分がCに賃貸され、賃借権の登記をすることなく引渡しがなされていた場合において、Cは、抵当権の実行による当該マンションの専有部分の買受人に対して賃借権を対抗することができる。

2 Bの抵当権の効力は、Aにより付加され当該住戸部分と一体となった物にも及ぶ。

3 Bの抵当権の効力は、当該マンションの廊下、階段室、その他の共用部分についてのAの共有持分権にも及ぶ。

4 Bが、抵当権の被担保債権であるAに対する債権をDに譲渡した場合において、Dは、Bの有していた抵当権を取得する。

【解答及び解説】

【問 3】 解答 1

1 誤り。本肢では、抵当権の設定と賃借権では、抵当権が先に設定され登記を備えているので、抵当権が賃借権に優先する。したがって、Cは区分所有建物の買受人に対して賃借権を主張することはできない。
*民法177条

2 正しい。抵当権は、抵当地の上に存する建物を除き、その目的である不動産に付加して一体となっている物に及ぶ。
*民法370条

3 正しい。抵当権の効力は、抵当不動産に付加して一体となっている「物」だけでなく、抵当不動産の従たる権利にも及ぶ。また、共用部分の持分は、専有部分の処分に従うので、区分所有建物の専有部分に設定した抵当権の効力は、共用部分の共有持分権にも及ぶ。
*民法370条、区分所有法15条

4 正しい。抵当権には随伴性があり、被担保債権が第三者に譲渡された場合、抵当権もそれに伴って被担保債権の譲受人に移転する。