下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。
管理業務主任者 過去問解説 平成16年 問5
【問 5】 AとBとの間で、Aの所有する建物について売買契約が締結された場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、正しいものはどれか。
1 AB間の特約がないかぎり、Aの建物引渡債務とBの売買代金支払債務とは、Aの建物引渡債務が先履行の関係に立つ。
2 Bによる売買代金の支払いが弁済期になされない場合において、Aは、その履行を催告することなく、直ちに売買契約を解除することができる。
3 Aによる建物の引渡しが履行期になされない場合において、Bは、売買契約の解除をしたときでも、損害賠償の請求をすることができる。
4 Aによる建物の引渡しが履行期になされない場合において、Bは、裁判所に建物の引渡しの履行の強制の請求をしたときには、損害賠償の請求をすることはできない。
【解答及び解説】
【問 5】 正解 3
1 誤り。売買契約における目的物の引渡債務と代金支払債務は、公平の観点より、同時履行の関係に立つ。
*民法533条
2 誤り。当事者の一方がその債務を履行しない場合において、原則として、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときでなければ、相手方は、契約の解除をすることができない。
*民法541条
3 正しい。解除権の行使は、損害賠償の請求を妨げないので、契約を解除した場合でも、さらに損害賠償の請求をすることができる。
*民法545条4項
4 誤り。債務者が任意に債務の履行をしないときは、債権者は履行の強制を裁判所に請求することができる。この履行の強制は、損害賠償の請求を妨げない。
*民法414条2項