下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成16年 問4

【問 4】 時効に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。

1 消滅時効が完成し、時効が援用されて権利が消滅すると、その権利は最初から生じなかったものとされる。

2 裁判上の請求がなされた場合において、確定判決によって権利が確定したときは、その時から新たに時効の進行を始める。

3 地上権や地役権は、20年間、これらの権利が行使されないときには、時効によって消滅する。

4 地上権や地役権は、自己のためにする意思をもって平穏かつ公然にこれらの事実上の権利の行使が継続されても、時効により権利が取得されることはない。

【解答及び解説】

【問 4】 正解 4

1 正しい。時効の効力は、遡及効があり、その起算日にさかのぼるので、消滅時効の場合は、その権利は最初から生じなかったものとされる。
*民法144条

2 正しい。裁判上の請求がなされた場合において、確定判決によって権利が確定したときは、時効は、裁判上の請求が終了した時から新たにその進行を始める。
*民法147条2項

3 正しい。債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から20年間行使しないときは、時効によって消滅する。
*民法166条2項

4 誤り。所有権以外の財産権(本肢の地上権、地役権など)を、自己のためにする意思をもって、平穏に、かつ、公然と一定の期間行使する者は、時効によりその権利を取得することができる。
*民法163条