下記の問題及び解説は、必ずしも現時点における法改正及びデータを反映したものではない場合があります。

管理業務主任者 過去問解説 平成15年 問39

【問 39】 あるマンションで301号室に水漏れ事故があった場合に関する次の記述のうち、民法及び区分所有法の規定並びに判例によれば、最も不適切なものはどれか。

1 401号室に居住している区分所有者が401号室内の水道栓を閉め忘れたため301号室に水漏れした場合には、401号室の区分所有者が水漏れによる責任を負う。

2 給水管の本管に経年による劣化が原因で穴があいたため301号室に水漏れした場合には、通常区分所有者全員が水漏れによる責任を負う。

3 301号室の専有部分である天井裏にある401号室の専用の排水管に、401号室に居住している区分所有者が物を詰まらせたため301号室に水漏れした場合には、401号室の区分所有者が水漏れによる責任を負う。

4 301号室の専有部分である天井裏にある401号室の専用の排水管に、経年による劣化が原因で穴があいたため301号室に水漏れした場合には、401号室に居住している区分所有者が水漏れによる責任を負う。

【解答及び解説】

【問 39】 正解 4

1 適切。本肢では、301号室の水漏れは、401号室の区分所有者の過失によるものであるから、通常の不法行為責任であり、401号室の区分所有者が水漏れによる責任を負うことになる。
*民法709条

2 適切。本肢では、301号室の水漏れは、給水管の本管の経年による劣化が原因であり、共用部分による損害であるから、区分所有者全員が水漏れによる責任を負う。
*区分所有法9条参照

3 適切。本肢の排水管は401号室専用の排水管であるが、301号室の専有部分である天井裏にあるので、401号室から修理、点検できないので、共用部分と考えられる。しかし、水漏れの原因は401号室の区分所有者が物を詰まらせるという過失によるものであるから、401号室の区分所有者が通常の不法行為責任を負う。
*民法709条

4 不適切。本肢の排水管は401号室専用の排水管であるが、301号室の専有部分である天井裏にあるので、401号室から修理、点検できないので、共用部分と考えられる。そして水漏れは、その排水管の経年による劣化が原因であり、共用部分による損害であるから、区分所有者全員が水漏れによる責任を負う。
*区分所有法9条参照