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管理業務主任者 過去問解説 平成15年 問31

【問 31】 マンションの共用部分の修繕工事の決議に関する次の記述のうち、区分所有法の規定によれば、最も適切なものはどれか。なお、規約に別段の定めはないものとする。

1 内外壁塗装工事を行う場合には、出席した区分所有者の議決権の過半数の賛成による集会の決議が必要である。

2 内外壁塗装工事のほか、鉄部塗装工事、屋上防水工事、給水管ライニング工事を併せて行う場合には、区分所有者及び議決権の各4分の3以上の賛成による集会の決議が必要である。

3 内外壁塗装工事のほか、階段と廊下に手すりを設置する工事を併せて行う場合は、区分所有者及び議決権の各過半数の賛成による集会の決議が必要である。

4 内外壁塗装工事のほか、階段室をエレベーター室にする工事を併せて行う場合には、出席した区分所有者の議決権の4分の3以上の賛成による集会の決議が必要である。

【解答及び解説】

【問 31】 正解 3

1 不適切。内外壁塗装工事は、その形状又は効用の著しい変更を伴わないので軽微変更に該当する。そして、軽微変更は、区分所有者及び議決権の過半数の集会の決議があれば行うことができる。この集会の決議は、「出席した」区分所有者及び議決権で決めるのではなく、欠席者も含めた「総」区分所有者及び「総」議決権の過半数かどうかで決める。
*区分所有法18条1項

2 不適切。内外壁塗装工事のほか、鉄部塗装工事、屋上防水工事、給水管ライニングエ事を併せて行う場合であっても、その形状又は効用の著しい変更を伴わないので軽微変更に該当し、区分所有者及び議決権の過半数の集会の決議で行う。
*区分所有法18条1項

3 適切。内外壁塗装工事のほか、階段と廊下に手すりを設置する工事を併せて行う場合は、その形状又は効用の「著しい」変更を伴うとはいえず、軽微変更に該当する。したがって、区分所有者及び議決権の過半数の集会の決議があれば行うことができる。
*区分所有法18条1項

4 不適切。内外壁塗装工事のほか、階段室をエレベーター室にする工事を併せて行う場合は、その形状又は効用の著しい変更を伴うので重大変更に該当し、区分所有者及び議決権の3/4以上の集会の決議が必要となる。この「区分所有者及び議決権」も、欠席者も含めた「総」区分所有者及び「総」議決権で決することになる。
*区分所有法17条1項