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管理業務主任者 過去問解説 平成15年 問4

【問 4】 AがBから建物を賃借している場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定によれば、正しいものはどれか。

1 Aは、建物賃借権についての登記がなくても、Bから建物の引渡しを受けていれば、その引渡し後にその賃借建物をBから買い受けた者に対して、建物賃借権を対抗することができる。

2 Aが賃借建物について有益費を支出したときは、BはAに対して、直ちに、その償還をしなければならない。

3 Aは、Bの承諾を得ることなく建物賃借権を第三者に譲渡することはできないが、賃借建物を第三者に転貸するときは、Bの承諾を要しない。

4 Bが賃貸建物の保存に必要な行為をしようとするときに、Aは、これを拒むことができる。

【解答及び解説】

【問 4】 正解 1

1 正しい。建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後建物を買い受けた者に対し、その効力を生ずる。
*借地借家法31条1項

2 誤り。賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、「賃貸借の終了の時」に、その償還をしなければならない。BはAに「直ちに」償還請求することはできない。
*民法608条2項

3 誤り。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を「転貸」することができない。転貸にも、賃貸人の承諾が必要である。
*民法612条1項

4 誤り。賃貸人が賃貸物の保存に必要な行為をしようとするときは、賃借人は、これを拒むことができない。
*民法606条2項