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管理業務主任者 過去問解説 平成14年 問44

【問 44】 Aが売主として自己の所有するマンションについて、Bと売買契約を締結した場合における契約不適合責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、AとBは、ともに宅地建物取引業者ではないものとする。

1 マンションの契約不適合が、売買契約締結の前にAが依頼したハウスクリーニング業者の過失によって生じたものであるときは、Aは損害賠償以外の契約不適合責任を負わない。

2 「Aは、契約不適合責任を負わない」との特約をAB間でしても、Aが知りながら告げなかった契約不適合については、その責任を免れることはできない。

3 Bは、Aに対して契約不適合を通知せずに、マンションの引渡しを受けた時から2年を経過した場合、Aに対して契約不適合責任を追及することができなくなる。

4 AB間の売買契約が、宅地建物取引業者の媒介により成立したものであるときは、契約不適合責任について民法に規定するものよりBに不利となる特約をしても、その特約は無効である。

【解答及び解説】

【問 44】 正解 2

1 誤り。契約不適合が、当事者双方の責に帰すべきでない事由で生じた場合でも、売主は、損害賠償以外の契約不適合責任を負うことになる。
*民法562条等

2 正しい。売主は、担保の責任を負わない旨の特約をしたときであっても、知りながら告げなかった事実については、その責任を免れることができない。
*民法572条

3 誤り。売主が宅地建物取引業者で、買主が宅地建物取引業者でない場合は、買主が売主に対して契約不適合を通知すべき期間についてその目的物の引渡しの日から2年以上となる特約は認められるが、本問では売主、買主とも宅地建物取引業者でない場合であるから、民法の規定が適用され、Bは契約不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しなければ、Aに対して契約不適合責任を追及することはできない。
*宅建業法40条

4 誤り。売主が宅地建物取引業者で、買主が宅地建物取引業者でない場合は、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、原則として民法の規定より買主に不利となる特約をすることはできないが、本問では売主、買主とも宅地建物取引業者でない場合であるから、Bに不利な特約も認められる。これは宅地建物取引業者が媒介した場合でも同様である。
*宅建業法40条