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管理業務主任者 過去問解説 平成14年 問30

【問 30】 マンションの大規模修繕に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1 大規模修繕工事を実施するに際し、マンションの組合員間の合意形成を容易に行うため、工事仕様、工事価格、工事業者の選定について客観的判断材料となる建物及び設備についての調査及び診断を実施することが望ましい。

2 建物のタイル外壁及びモルタル塗り外壁の定期的な仕上診断は、肉眼や双眼鏡の利用により目視で判断する外観目視診断の方法により行い、パールハンマーやテストハンマーにより外壁を打撃し、その打音により判断する打撃診断の方法は通常行わない。

3 大規模修繕の目的は、外壁の剥落防止等安全の確保及び鉄部塗装や防水の更新等機能回復などであるが、バリアフリー対策その他居住性や機能の向上など改良の要素を加味していることがある。

4 建物劣化には、雨水や空気中の炭酸ガス等の化学的要因又は継続使用による減耗などによる物理的劣化、建物の建設後の技術の向上や法的規制の変化により当初設置された機器が陳腐化してしまう機能的劣化及び社会的要求水準や要求内容が変化したことによって生じる社会的劣化がある。

【解答及び解説】

【問 30】 正解 2

1 適切。記述の通り。大規模修繕工事を実施するに際し、マンションの組合員間の合意形成を容易に行うため、工事仕様、工事価格、工事業者の選定について客観的判断材料となる建物及び設備についての調査及び診断を実施することが望ましい。

2 不適切。建物のタイル外壁及びモルタル塗り外壁の定期的な仕上診断は、肉眼や双眼鏡の利用により目視で判断する外観目視診断の方法だけでなく、パールハンマーやテストハンマーにより外壁を打撃し、その打音により判断する打撃診断の方法も併用する。

3 適切。大規模修繕の目的は、外壁の剥落防止等安全の確保及び鉄部塗装や防水の更新等機能回復などの「修繕」であるが、バリアフリー対策その他居住性や機能の向上など「改良」の要素を加味していることがある。

4 適切。記述の通り。建物劣化には、雨水や空気中の炭酸ガス等の化学的要因又は継続使用による減耗などによる物理的劣化、建物の建設後の技術の向上や法的規制の変化により当初設置された機器が陳腐化してしまう機能的劣化及び社会的要求水準や要求内容が変化したことによって生じる社会的劣化がある。