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管理業務主任者 過去問解説 平成14年 問10

【問 10】 マンションの管理費の支払義務を負う者に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

1 専有部分について賃貸借契約が締結され、その旨の通知が管理組合に対してなされた場合は、通知が到達した日の翌日から賃借人が管理費の支払義務を負うことになる。

2 専有部分について賃貸借契約が締結され、当該賃貸借契約において、管理費の支払義務を負う者を賃借人と約定で定めた場合は、賃貸人である区分所有者は、当該約定をもって管理組合に対抗することができる。

3 区分所有者が破産手続開始の決定を受けたときは、当該区分所有者は、破産手続開始の決定の日の翌日以降の管理費の支払義務を免れる。

4 専有部分の売買契約によって、区分所有権を取得した買主は、売主が滞納していた管理費の支払義務を承継するが、売主の支払義務も存続する。

【解答及び解説】

【問 10】 正解 4

1 不適切。占有者(賃借人)は、建物又はその敷地若しくは附属施設の「使用方法」については、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うが、「管理に関する事項」については区分所有者同一の義務を負うことはなく、管理費を支払う義務も負わない。
*区分所有法46条2項

2 不適切。占有者(賃借人)は、建物又はその敷地若しくは附属施設の「使用方法」については、区分所有者が規約又は集会の決議に基づいて負う義務と同一の義務を負うが、「管理に関する事項」については区分所有者同一の義務を負うことはなく、管理費を支払う義務も負わない。本肢の賃貸借契約の約定については、賃貸人(区分所有者)及び賃借人(占有者)間の内部的な関係について規定するものにすぎず、この賃貸借契約をもって管理組合に対抗することはできない。
*区分所有法46条2項

3 不適切。区分所有者が破産手続開始の決定を受け免責を受ければ、以前の滞納していた管理費を免れることはあり得るが、破産手続開始の決定の日以降の管理費の支払義務を免れることはできない。

4 適切。区分所有者が滞納していた管理費の支払義務は、区分所有者の特定承継人に対しても行うことが「できる」。つまり、滞納管理費の請求は、特定承継人に請求しなければならないものではなく、前区分所有者に対しても請求することができ、両者は併存する形になる。
*区分所有法8条