保証委託契約

【解説】

宅建試験では、宅建業法>自ら売主>手付金等の保全措置のところで、保全措置の種類で、銀行等による保証というのがありますが、そのときに「宅地建物取引業者が受領した手付金等の返還債務を負うこととなった場合において当該銀行等がその債務を連帯して保証することを委託する契約(以下「保証委託契約」という。)を締結」するというのが出てきます。
この保証委託契約というのは、保証契約とは異なりますので、民法でよく勉強する保証契約の理解も深めるという意味も含めて説明します。

保証契約というのは、「債権者」と保証人が締結するもので、「保証人が、主たる債務者がその債務を履行しないときに、その履行をする責任を負う」という契約です(民法446条1項)。
普通、保証人というのは、主たる債務者から頼まれて保証人になるということが多いと思いますが、保証契約自体は、主たる債務者ではなく、債権者と保証人が締結します。
主たる債務者が、保証人になってくれと頼むのは保証「委託」契約(「契約」という以上、保証人の承諾が必要ですが)です。

そして、保証契約が「債権者」と保証人の契約である以上、債務者の意思に反する保証契約も有効であるとされています。
したがって、保証委託契約というのは、保証契約を締結するにあたって絶対に必要なものではありません。つまり、保証委託契約に基づいて、保証契約を締結するのが普通でしょうが、保証委託契約抜きで保証契約を締結しても、その保証契約は有効です。

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