中間金
【解説】
【読み方】ちゅうかんきん
中間金は、なんといっても宅建業法の手付金等の保全措置の部分でよく出てくる言葉です。
不動産の取引の場合、普通にお店で物を買うような場合とは異なり、契約を締結して、手付金を交付し、さらに登記や引渡し、代金支払い等を段階的に行うことも多くなります。
そして、中間金というのは、この契約締結をした後、建物の引渡しなどの履行までの間に支払われる金銭のことをいいます。だから、「中間」金というんです。
そして、この中間金の性質は、内金(売買代金の一部支払い)の一種ということになり、手付とは性質的に異なります。
したがって、手付は、契約上の義務が履行されれば、そのときに代金に充当されるのに対し、中間金は交付の時点ですでに売買代金の一部になります。
たとえば、宅建業法の自ら売主の制限の部分で宅地建物取引業者が自ら売主で、買主が宅地建物取引業者でない場合は、手付金の額は売買代金の2割を超えることはできませんが、中間金は、2割を超えて受領しても大丈夫です。
宅建業法では、「手付」と手付金「等」は区別して用いられています。たとえば、今説明した売買代金の2割まで、というときは「手付」(宅建業法39条)と表現しているのに対して、最初に出てきた保全措置の場合は(宅建業法41条、41条の2)、手付金「等」と使い分けています。
また、同じ自ら売主の制限で「手付」はすべて解約手付の性質を有するという39条2項の規定との関連において、買主が手付と中間金を放棄しなければ、契約を解除できないというのは買主に不利な特約として、無効とされます。つまり、手付と中間金は区別されているわけです。
それに対し、手付金「等」というときは、「等」の中に中間金も含まれ、保全措置の対象となります。
最後に、中間金は、売買代金の一部ですから、買主は履行に着手していることになります。したがって、買主が中間金を支払いますと、売主は手付の倍額を償還したとしても、手付解除をすることはできません。
ただ、買主が中間金を支払い、売主は履行行為に着手していない場合は、「買主」からは手付を放棄して、(相手方は履行に着手していないので)契約を解除できるという判例は有名で、試験でもよく出題されます。