都市計画法15条(都市計画を定める者)

【解説】

1.都市計画の決定権者

前条までで「都市計画の内容」というのが終了しました。次は、それではこれらの都市計画を決めるのは誰か(都道府県か市町村か)というのが、この「都市計画の決定権者」の問題です。

まず、本条第1項の最初の部分に注目して下さい。「次に掲げる都市計画は都道府県が、その他の都市計画は市町村が定める。」となっています。

つまり、都道府県が決定権者であるものを第1号から第7号に列挙し、「それ以外市町村だ」という定め方をしています。つまり、基本は市町村で、都道府県は特別に規定しているという形になっています。

ただ、都道府県となっているものも結構多いので、個別に覚えていくしかないのかもしれません。

全体的には、都市計画の内容を思い浮かべて、広域的な観点から定めた方がいいものは「都道府県」、身近なところで決めた方がいいのが「市町村」という考え方になります。たとえば、地区計画は、きめ細かな街づくりをするので「市町村」という具合です。

簡単に、いくつかのものについてコメントしておきましょう。

① 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針に関する都市計画(第1号)

これは都市計画区域全体の方針ですから、都道府県が決定します。

②区域区分に関する都市計画(第2号)

市街化区域と市街化調整区域の区域区分は、基本的な都市計画になりますので、都道府県が定めます。

③市街地開発事業、市街地開発事業等予定区域(第6号、第7号)

この市街地開発事業は、基本的には都道府県が決定権者になります。ただ、カッコ書きにありますように、一定の小規模なものは都道府県ではなく、市町村になります。これは、分かりやすい。大規模か、小規模化で分かれるわけですね。

ただ、市街地開発事業等予定区域については、特に小規模なものを除外する規定がありません。もともと、市街地開発事業等予定区域というのは、ある程度大規模な市街地開発事業で、その用地を確保するために指定されるものです。市街地開発事業等予定区域を指定するような場合で、小規模なものはないんですね。

したがって、市街地開発事業等予定区域は都道府県一本です。

2.市町村と都道府県の都市計画の抵触(第4項)

先ほどの説明のように、都市計画を決定するのは、都道府県と市町村に分かれるので、場合によってはその内容が抵触・矛盾する可能性があります。

次条以下の都市計画の決定手続の中で、この抵触を避けるような手続が用意されているので、事前にはこれで抵触を避けます。

しかし、現実に抵触してしまった場合は、都道府県が優先するということです。都道府県の方がより広域的な観点から見ているからということですね。これは分かりやすいと思います。