宅地造成等規制法20条(造成宅地防災区域)

【解説】

1.造成宅地防災区域の指定(第1項)

(1) 造成宅地防災区域とは

この造成宅地防災区域ですが、「造成宅地」という言葉の定義は最初に勉強しました。

第2条7項で、「造成宅地」というのは、「宅地造成に関する工事が施行された宅地をいう。」ということになります。

宅地造成等規制法というのは、その規制の中心は宅地造成工事規制区域内の宅地造成に関する工事についての許可制、あるいは届出制です。

以前は、宅地造成工事規制区域内の許可制と届出制しかありませんでしたが、この造成宅地防災区域は新しくできた制度です。

宅地造成工事規制区域内の許可制や届出制は、これから宅地造成に関する工事をしようとする場合にかかる規制です。

しかし、「造成宅地」防災区域は、一団の「造成宅地」に指定されるものですから、すでに宅地造成の工事が行われている区域がその対象になります。

ただ、「宅地造成工事規制区域内の土地を除く」ことになります。

要するに、宅地造成工事規制区域に指定されていない造成済みの宅地であっても、「相当数の居住者その他の者に危害を生ずるものの発生のおそれが大きい」と判断されたときに指定されるわけです。指定権者は都道府県知事です。

このような区域について、災害の防止のための措置や改善命令が出せるようにしようという制度です。

(2) 造成宅地防災区域の指定の基準(宅地造成等規制法施行令19条)

どのような土地について、この造成宅地防災区域が指定されるのかについて、宅地造成等規制法施行令19条に規定があります。

簡単に言うと、盛土をした土地で、地震や盛土の自重(盛土自体の重さ)によって滑りやすい土地や、切土又は盛土をした後の地盤の滑動や擁壁の沈下、崖の崩落が生じている造成宅地の区域に指定されます。

2.指定の解除(第2項)

造成宅地防災区域は、宅地造成に関する工事がなされた区域でも、地滑りを起こしやすい土地に指定されるわけですが、「擁壁等の設置又は改造その他前項の災害の防止のため必要な措置」が行われれば、その指定が解除されます。

具体的には、擁壁の設置以外にも、地滑り抑止杭、土留の設置等、適切な防災工事が実施され、造成宅地の安全性が確保されたと認められた場合に指定を解除することができます。

この解除を行うのも都道府県知事です。

3.重要事項の説明(宅地建物取引業法)

この造成宅地防災区域が指定されている土地を取引する場合には、宅地建物取引業法において、重要事項の説明の対象とされています。

宅地建物取引業者は、取引する物件がその区域内にあれば、土地・建物を問わず、また売買・交換か貸借かを問わず、「当該宅地又は建物が宅地造成等規制法第20条第1項により指定された造成宅地防災区域内にあるときは、その旨」を重要事項として説明しなければいけません(宅地建物取引業法35条1項13号、同法施行規則第16条の4の3第1号)

都道府県知事がこの区域を指定するとともに、指定を解除することもできるという点を覚えておいて下さい。

なお、宅地建物取引業務における重要事項説明に際しては、取引する宅地建物が造成宅地防災区域にあるときには、その旨を説明しなければならない。