宅地造成等規制法15条(工事等の届出)

【解説】

1.工事等の届出

この届出制というのは、宅建試験等ではよく出題されています。宅地造成等規制法では、最も出題されている範囲の一つです。

もともと「宅地造成」に該当すれば「許可」が必要でした。ということは、「宅地造成」に該当しなければ「許可」は不要です。

それでは、「宅地造成」にさえ該当しなければ、すべて放置しておいていいのか、というのがこの届出制の趣旨です。たとえ「宅地造成」に該当しない場合でも、一定の場合は、「許可」までは必要ないけれども、「届出」くらいは必要だというのがこの届出制です。

これは端的に、届出が必要な場合と、いつまでに届け出ないといけないのかに特に注意して覚えて下さい。

届出先については、すべて都道府県知事なのでこれは覚えやすい。

後は、いつまでに届け出ないといけないのかというのが混乱しやすいですね。というのは、三者三様だからです。

一つずつ見ていきましょう。

2.宅地造成工事規制区域の指定の際すでに工事に着手(第1項)

第1項については、意味が分かりますでしょうか。許可が必要なのは、あくまで宅地造成工事規制区域内です。したがって、「宅地造成工事規制区域の指定の際、当該宅地造成工事規制区域内においてすでに行われている宅地造成に関する工事」については、工事着手時には、その土地は宅地造成工事規制区域ではなかったわけですから、許可を受ける必要はありません。

しかし、工事開始後に宅地造成工事規制区域に指定されたということは、その土地は災害の恐れがあるから指定されたのであって、工事前に取得が必要な許可は受けようがないけれども、届出は行って下さい、という意味です。

これは、指定「後」21日以内です。

3.擁壁等の除却工事(第2項)

第2項の「擁壁等に関する工事その他の工事で政令で定めるもの」というのは、具体的には施行令に規定があります。

宅地造成等規制法施行令(届出を要する工事)
第18条 法第15条第2項の政令で定める工事は、高さが2メートルを超える擁壁、地表水等を排除するための排水施設又は地滑り抑止ぐい等の全部又は一部の除却の工事とする。

これを見てもらったら分かりますように、擁壁、排水施設、地滑り抑止ぐい等の「除却」工事というのは、擁壁等がなくなるわけですから、崖崩れが心配ですよね。

これは、工事を行うことに関する規制ですから、工事着手の14日「前」に届け出なければいけません。

4.宅地への転用(第3項)

第3項については、もともと宅地造成の定義として、工事の結果、「宅地以外」のものにする場合は、宅地造成に該当せず、宅地造成に関する許可は不要だったはずです。

したがって、「宅地以外のものにします」といって許可をもらわずに工事をした人が、あとでこっそり「宅地以外」の土地を、「宅地」に転用されてしまうと困ります。

そこで、こっそり転用するのではなく、「届出」をして転用して下さい、というのがこの規定です。

そして、その届出は転用「後」14日以内です。

以上、届出が必要な3つの場合について、「前」か「後」か、「21日」か「14日」かでしっかり区別して覚えて下さい。