宅建業法71条(指導等)

【解説】

本条は、宅地建物取引業者に対する指導等の規定ですが、まず、指導等を行うことができるのは誰かという点に注意して下さい。

条文の文言でいうと、「国土交通大臣はすべての宅地建物取引業者に対して」と「都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して」という部分です。

まず、免許権者は特に本条のような明文の規定がなくても指導等は当然行うことができます。免許権者は、免許を与えた宅地建物取引業者を監督する必要があるからです。

「ただ、それだけではないですよ」というのが本条の意味です。

まず、「国土交通大臣はすべての宅地建物取引業者に対して」という部分ですが、国土交通大臣は、免許を与えた宅地建物取引業者に限らず、「すべての」宅地建物取引業者に対して指導等ができるというのは、国土交通大臣は、宅地建物取引業全般に責任を持っているという意味でしょう。

次の、「都道府県知事は当該都道府県の区域内で宅地建物取引業を営む宅地建物取引業者に対して」という部分です。

これは免許権者だけに限らないという点に注意して下さい。

都道府県知事は、免許を与えた宅地建物取引業者だけでなく、自らの都道府県の区域内で業務を営む宅地建物取引業者全てに、指導等をなしうるという意味です。

ちなみに、監督処分の一種として指示処分というのがありますが、「指示」と「指導等」との違いは、「指示」は、行政不服審査法および行政事件訴訟法の適用を受け、これに不服があれば行政庁に不服申立てを、又は裁判所に行政訴訟を提起することができます。

これに対して、「指導等」というのは、監督処分ではなく、いわゆる行政指導といわれるもので、法的な拘束力ありません。