宅建業法66条(免許の取消し)

【解説】

1.宅地建物取引業者に対する免許取消処分事由

免許取消処分事由は、免許権者が必ず免許を取り消さなければならない必要的免許取消処分と、免許を取り消すことが「できる」という任意的免許取消処分があります。

数としては圧倒的に必要な免許取消処分が多くなっています。

まず、その必要的免許取消処分(第1項)から見ていきます。

(1) 必要的免許取消処分

① 第五条第一項第一号、第三号又は第三号の二に該当するに至つたとき。

これは免許の欠格事由です。

② 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が第五条第一項第一号から第三号の二までのいずれかに該当するに至つたとき。

③ 法人である場合において、その役員又は政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第三号の二までのいずれかに該当する者があるに至つたとき。

④ 個人である場合において、政令で定める使用人のうちに第五条第一項第一号から第三号の二までのいずれかに該当する者があるに至つたとき。

⑤ 第七条第一項各号のいずれかに該当する場合において第三条第一項の免許を受けていないことが判明したとき。

⑥ 免許を受けてから一年以内に事業を開始せず、又は引き続いて一年以上事業を休止したとき。

業者の免許制度は、現実に宅建業を営む意思と能力を有するものに与えるのが本来の姿であるから、免許を受けているにもかかわらず、1年以上事業を開始しなかったり、1年以上事業を休止している者に対しては免許を取り消すことにしたものです。

ちなみに、この規定は事業を開始しなかったり、事業を休止したことについて正当な理由の有無を問わず免許が取り消されます。

⑦ 第十一条第一項の規定による届出がなくて同項第三号から第五号までのいずれかに該当する事実が判明したとき。

⑧ 不正の手段により第三条第一項の免許を受けたとき。

「不正の手段により免許を受けた」というのは、具体的には免許申請書に虚偽の記載をして免許を受けたり、強迫・贈賄等の手段で免許を受けた場合などです。

⑨ 前条第二項各号のいずれかに該当し情状が特に重いとき、又は同条第二項若しくは第四項の規定による業務の停止の処分に違反したとき。

本号の前半ですが、「前条第二項各号」というのは、要するに業務停止処分ということですから、業務停止処分事由に該当し、情状が特に重いときは免許取消処分になるという意味です。

この規定は意外に重要で、要は、業務停止処分事由は、情状が重ければ同時に免許取消処分も受ける可能性があるということです。

そして、業務停止処分事由というのは、宅地建物取引業法の規定の重要なものはほぼ網羅していますので、宅地建物取引業法に違反すれば、ほとんど免許取消処分(もちろん情状が重いことが必要ですが)の可能性があるということです。