宅建業法44条(不当な履行遅延の禁止)

【解説】

この規定は、読んで意味の分からない方というのは、まずいないと思います。

不当な履行遅延というのが許されるはずがありません。

ただ、履行が期日に遅れますと民法上の債務不履行になります。ということは、民法の規定だけで十分なんであって、宅地建物取引業法で特にこのような規定があるという意味は非常に分かりにくいと思います。

ここでわざわざ「不当な履行遅延」を禁止しているのは、債務不履行とは別に、宅地建物取引業法違反とすることによって、宅地建物取引業法の監督処分や罰則の規定が適用されます。

本条を見てもらえば分かりますが、宅地建物取引業法では、履行行為の中でも重要な「登記」「引渡し」「代金支払」の3つを取り上げ、これらの行為について「不当に」遅延する行為を禁止し、これに違反した場合に監督処分や罰則を科すようにしているということです。

この規定の「不当に遅延する行為」とは、利益を得る目的または怠慢により、約束の時期までに約束した内容を実行しないことをいい、宅地建物取引業者の責任に帰さない理由、たとえば地震等の天災などによる遅延は規制の対象となりません。

また、宅地建物取引業者自ら遅延する場合のみならず、宅地建物取引業者が他の第三者をして遅延させる場合もこれに含まれると解されます。たとえば、登記に関して司法書士の行う手続等につき業者が不当に遅れさせることなどです。

この規定は、当然宅地建物取引業者が「自ら売主」の場合に限りません。すべての取引態様で規制されます。