宅建業法13条(名義貸しの禁止)

【解説】

名義貸しは宅地建物取引士の場合も禁止されますが、これは宅地建物取引業者の名義貸しの話です。

この名義貸しは、Aという宅地建物取引業の免許を持っている者が、そのAという名義を、Bという人に貸す場合です。

この場合、通常Bは、宅地建物取引業の免許を持っていないことが多いでしょう。自分は免許を持っていないので、Aの名義を拝借するわけです。

しかし、それだけに限らず、宅建業の免許を持っている人に名義を貸しても名義貸しにあたるというのが判例です(最判昭和57.9.9)。

つまり、Bが自分で免許を持っているが、その名義を使わずに、Aの名義を借りて宅地建物取引業を行った場合も、Aは名義貸しに当たります、ということです。Aは、Bが免許を持っていても、いなくてもAの名義をBに使わせれば名義貸しだというわけです。Bが札付きの評判の悪い業者の場合、自分の名前で商売するより、Aの名前で商売した方がいいので、Aの名義を借りるということはあり得ます。

この名義貸しについても、無免許事業の禁止の場合と同様、表示・広告の禁止の規定があります。「宅地建物取引業者は、自己の名義をもって、他人に、宅地建物取引業を営む旨の表示をさせ、又は宅地建物取引業を営む目的をもってする広告をさせてはならない。」無免許事業の場合と同様の内容です。

この表示や広告は12条の表示や広告と同じ意味であり、名義を貸した業者の名称で看板を掲げたり、あるいは宣伝・広告をしたり、ビラを頒布する等の行為をすべて含むことになります。

この表示や広告の禁止の規定は、立証上の問題として、名義貸しがあった場合に、営業行為の立証ができなくても、看板や広告、ビラ等の存在が立証できれば独自に13条2項違反として摘発することが可能となるという意味があります。

ところで、これは名義を貸した側の責任の規定ですが、借りた側はどうなるかということですが、これは、無免許事業になるものと思われます。免許がないのに、他人の名義で宅地建物取引業を営んでいるからです。