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借地借家法39条(取壊し予定の建物の賃貸借)
【解説】
更新のない建物賃貸借というのは、定期建物賃貸借だけではありません。もう一つあります。
これは定期建物賃貸借制度ができる前からある制度で、ポイントくらいは押さえておいて下さい。
これは「取壊し予定の建物の賃貸借」という制度です。法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合に、建物の賃貸借をするときは、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる、という制度です。
たとえば、定期借地権というのを勉強しました。定期借地権で土地を借りた人は、50年経てば、建物買取請求権を行使することなく、つまり建物を取り壊して土地を明け渡さないといけません。この定期借地権を設定し、その土地上に建物を建てていた人が、その建物を人に賃貸していたとします。これは50年経てば必ず建物は取り壊さないといけないわけですから、こういう場合の建物賃貸借は、更新なく終了しないと困ります。そういうときのための制度です。
この「取壊し予定の建物の賃貸借」は、建物を取り壊すべき事由を記載した「書面」によって契約しないといけません。「書面」であればよく、公正証書であることまでは要求されていません。