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借地借家法29条(建物賃貸借の期間)

【解説】

1.建物賃貸借の最短期間

建物賃貸借の最短期間の定めについてですが、「期間を1年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。」としています。

この建物賃貸借については、「期間の定めのある」賃貸借と「期間の定めのない」賃貸借に分けるのがポイントになります。

借地の場合は、30年より短い借地権は一律30年になりましたが、建物についてはそれほど強引ではありません。

当事者が、「期間を定める」場合は、最低1年にしなさい。1年未満の期間を定めると、それは「期間の定めのない」賃貸借になります、としているわけです。

ただ、一つ気を付けて欲しいのは、定期建物賃貸借については、1年未満の期間を定めることが可能だという点です。

定期建物賃貸借の場合、たとえば、海外に行く6ヶ月間だけ定期建物賃貸借で人に建物を貸し、海外から帰ってくれば、更新されることなく確実に建物が戻ってくるというような使い方ができるわけです。

2.建物賃貸借の最長期間

民法では、賃貸借の最長期間は20年とされていましたが(民法604条)、建物賃貸借については、この規定は適用されません。

そして、最長期間については特に定めがありませんので、どんなに長くてもかまいません。