借地借家法1条(趣旨)

【解説】

1.借地借家法とは

民法にちゃんと賃貸借の規定があるのに、借地借家法という法律は何のためにあるのかですが、これは簡単には「借主」保護ということです。

賃貸借でも、土地や建物の場合は、それが居住用であれ、事業用であれ、その人の生活の基盤になっていることが多い。

そこで、借主は、貸主から「すぐに出て行け!」などと言われないように、保護しているということです。借地借家法は、この「借主保護」という観点から、勉強を進めていけば非常に分かりやすいということになります。

2.借家

この借地借家法というのは、「借地権」と「借家権」の両方について規定されています。

以前は「借地法」と「借家法」というのは、別々の法律だったんですが、現在は一つの法律にまとめられているので、借地借家法の中に「借地権」と「借家権」の両方の規定があります。

そして、借地権については、第2条のところに定義規定がありますので、本条では「借家」の定義について説明しておきましょう。

借地借家法が適用されるのは「建物」の「賃貸借」です。

① 建物

借地借家法には、「建物」としか書かれていないので、特に「居住用」に限定されません。

借地借家法は、借主保護で、なんとなく居住用をすぐにイメージする人もいるかと思いますが、特に「建物」に限定はありませんので、事務所でも店舗でも倉庫でも借地借家法が適用されます。

ただ、借地借家法の規定のなかには「居住用の建物」に限定して適用される条文もあります。つまり、借地借家法全体としては、居住用に限定されないが、この規定だけは居住用に限定されるというものです。下記の2つです。

第36条…内縁の妻等の居住用建物の賃貸借の承継
第38条5項…定期建物賃貸借において、転勤等により賃借人から解約申入れをする場合

② 賃貸借

借地借家法は、建物の賃貸借に限定しているので、「使用貸借」には適用されません。

使用貸借は、無償で借りることですから、タダで借りている人を特別に借地借家法で手厚く保護する必要はありません。

③ 一時使用の場合

借家も借地と同様、契約の更新がしやすくなっていて、事実上長期の賃貸借になることが多くなっています。

したがって、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、借地借家法の「借家」の部分の規定はすべて適用されません。

これは40条で再び取り上げます。