民法964条(包括遺贈及び特定遺贈)

【解説】

1.遺贈とは

遺言と似た言葉で遺贈というのがあります。

この遺贈というのは、要するに遺言による贈与です。贈与と言ってしまうと贈与「契約」と勘違いしそうなので正確にいいますと、遺言により財産を無償で譲り渡すものです。

遺言で行いますので、遺言者の一方的意思表示でできる単独行為です。贈与は「契約」ですから、相手方の同意が必要でしたよね。そこが違います。

そして、この遺贈には、包括遺贈と特定遺贈というのがあります。

特定遺贈というのは、「特定の」財産を遺贈する場合で、ある土地を遺言により無償で譲り渡すような場合です。

包括遺贈というのは、ちょうど法定相続分のように、「一定の割合」(たとえば3分の1)で無償で財産を譲り渡す場合です。遺産の全部を譲り渡すのももちろん包括遺贈です。

そして、特定遺贈であれ、包括遺贈であれ、遺留分に関する規定に違反することができないのは当然です(本条但書)。