民法818条(親権者)

【解説】

1.親権者

未成年者については、普通、親権者つまり親が保護者になります。

もちろん、婚姻することによって成年とみなされている者については、親の親権に服することはありません。

親権者については、共同親権の原則というのがあって、両親がともに親権者になります。両親のうち一方がいなければ、片親の方が一人で親権者になります(第3項)。

ところが、両親がいない子供もいますので、そのときは家庭裁判所が後見人というのを選任します。未成年者に対する後見人なので、未成年後見人と呼びます。これは家庭裁判所が適当と思う人を選任するわけですが、たとえば叔父さんでも叔母さんでも誰か適当な人を見つけて選任するわけです。

[参照条文]
第838条 後見は、次に掲げる場合に開始する。
一 未成年者に対して親権を行う者がないとき、又は親権を行う者が管理権を有しないとき。
二 後見開始の審判があったとき。

2.未成年者の保護者の権限

この親権者又は未成年後見人には、4つの権限が与えられています。

制限能力者の保護者の権限というのは、同意権、代理権、取消権、追認権の4つが問題になるんですが、未成年者の保護者である親権者又は未成年後見人は、この4つを全部持っています。

この4つの意味ですが、同意権というのは、未成年者が契約等をするに当たって事前に承諾を与えることを言います。未成年者は、一人では契約できないと言いましたが、契約をするに当たって親権者等の同意をもらっておけば、契約の場では一人で契約することができます。何でもいいんですが、よくいろいろな申し込みなどをするときに、申込書などに、未成年者の方は親のハンコをもらってくださいというのを見たことがあると思いますが、それはココからきているわけです。未成年者なのに、この親のハンコをもらっていないと、後で契約を取り消されるおそれがあるからです。これは親には「同意権」があるということです。

次に代理権ですが、「代理」については宅建試験で非常によく、というより毎年といっていいくらい出題されるので、「代理」自体は項を改めて、大々的に説明しますが、簡単にいうと、子供に代わって(代理して)親が契約するということです。

次に、追認権ですが、これは未成年者が勝手に一人で契約などをしたときに、それが特に未成年者に不利益でないような場合に、後で親がそれを認めて、有効にする権利です。後で「追」って「認」めるので、「追認権」というわけです。同意権が事前に契約などを認めるのに対し、追認権は、後で契約などを認めることだと考えてもらっていいでしょう。

最後は取消権です。これは、未成年者が一人で勝手に契約した場合に、取り消すことができる権利です。これは後でも出てきますが、未成年者が一人で勝手に契約した場合、未成年者自身は自分で、その契約を取り消すことができます。それだけでなく、親権者等の保護者も取り消すことができるという意味です。