民法713条(責任能力)

【解説】

本条は、前条が未成年者の責任能力について規定していたのに対し、精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある者は不法行為責任を負わないとし、精神上の障害のある者を責任無能力としたものです。これは、行為時の精神的障害の状態により個別に判断されるもので、成年後見制度とは無関係です。

前条の「自己の行為の責任を弁識するに足りる知能」と、本条の「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力」というのは同程度のものであるとされています。

そして、飲酒等により一時的に精神的な障害に陥った者も、不法行為責任を負わないのが原則ですが、本条但書で、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、不法行為責任を負うとしています。これは「原因において自由な行為」の思想に基づくものです。