民法680条(組合員の除名)

【解説】

本条は、除名の要件について規定している。つまり、組合員を除名するには、「正当な事由」+「他の組合員全員の一致」が必要ですが、除名した組合員に通知をしなければ、当該組合員に除名を対抗できません。

ここに「正当な事由」というのは、具体的には出資義務の不履行、不正行為、背信的行為、他の組合員との著しい不和などが考えられます。

次に、「他の組合員全員の一致」ですが、これに関連して2名以上の者を同時に除名することができるかという問題があります。通説・判例(東京地判昭7.11.15)は除名できないとします。理由は、本条で「他の」組合員全員の一致を要求しているからです。

たとえば、A~Eの5名の組合で、AとBを同時に除名しようとする場合を考えます。本条を文言どおりに適用しますと、Aを除名するには、B~Eの同意が必要ですし、Bを除名するには、A及びC~Eの同意が必要となります。したがって、A・Bを外して、C~Eの同意で除名できないとするわけです。

しかし、学説では、本条の「全員の一致」というのをそれほど厳格に解する必要はなく、A・Bを外して、C~Eの同意で除名できるとする説もあります。

しかし、それだとD・E2名の同意で、A~C3名の除名まで可能になってしまいます。そこで、先ほどの学説は、少なくとも除名しようとする組合員の数が、除名される組合員の数を「超えている」必要があるとしています。