民法662条(寄託者による返還請求)

【解説】

本条は、次条とともに寄託の終了原因について規定しています。

そもそも、契約の一般的終了原因としては、期間の満了、目的物の滅失、債務不履行による解除がありますが、本条及び次条は、寄託者又は受寄者の解約(告知)について規定しています。そして、本条は寄託者からの告知の規定です。

本条では、返還時期の定めのあるときでも、寄託者はいつでも返還請求できる旨を規定しています。寄託契約というのは、有償・無償を問わず、寄託者の利益のための契約です。したがって、寄託者からは、返還時期の定めがあっても、いつでも返還請求できるわけです。期限の定めがないときは、当然寄託者はいつでも返還請求できます。

ただ、返還時期の定めがあるときに、期限前に返還請求することは、寄託者の期限の利益の放棄ですから(第136条2項)、有償寄託の場合には、受寄者の利益を害することはできず、受寄者の被る損害を賠償しなければいけません。

なお、この告知の効果は、遡及しないと考えられます。寄託契約は継続的な法律関係だからです。