民法595条(借用物の費用の負担)

【解説】

賃貸借において必要費と有益費の償還請求権というのがあったように、使用貸借でも借主が支出した費用の償還という問題が発生します。

これについては、賃貸借と異なり、無償で借りているわけですから、借主は、借用物の通常の必要費を負担します。雨漏りも自分で直し、貸主に償還請求できないということです。

ちなみに、この「通常の」必要費というのは、目的物の現状維持に必要な修理・修繕のような場合を指し、同じ必要費でも、通常とはいえない「非常の」必要費(たとえば、風水害による破損の修理・修繕費など)は、借主が負担する必要はなく、仮に借主が負担した場合は、貸主に対して償還請求することができる。

一方、有益費については、賃貸借の場合と同様です。つまり、その価格の増加が現存する場合に限り、貸主の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができるということです。有益費については、貸主の手元に戻ってきたときに、借用物の価値がその分上がっているということで、これは賃貸借と同様だということです。