民法591条(返還の時期)

【解説】

1.貸主の返還の催告(第1項)

一般的に債務の履行について期限を定めなかったときは、債務者は、履行の請求を受けた時から「直ちに」遅滞の責任を負うことになります(412条3項)。

しかし、それでは消費貸借契約における借主には酷なので、貸主は、「相当の期間」を定めて返還の催告をすることにしたのが本条です。したがって、期間の定めのない消費貸借の借主が履行遅滞に陥るのは、貸主からの催告を借主が受け取ってから「相当期間」経過後、ということになります。

ところで、貸主が相当の期間を定めずに催告した場合はどうなるのか、ということですが、判例は、客観的に相当な期間の経過により返還期が到来するとしています(大判昭5.1.29)。

2.借主の返還(第2項)

消費貸借契約の当事者が返還の時期を定めなかったときは、「借主」はいつでも返還することができます(第2項)。したがって、借主はそのときまでの利息を支払って返還すればいいことになります。