民法587条(消費貸借)

【解説】

消費貸借契約は、貸主が貸与の目的物の所有権を借主に移転し、借主はそれを一旦消費した上で、同種・同等・同量の物を返還する契約です。

まず、一旦目的物の所有権を移転する点で賃貸借や使用貸借と異なります。賃貸借や使用貸借では、所有権は貸主の手元に残り、借主は、借りた「その物」を返さなければいけません。

また、消費貸借契約は、本条で「物を受け取ることによって、その効力を生ずる」となっており、当事者の合意だけでなく、物の引渡も必要な要物契約とされています。

ただ、要物契約というのは、今日ではあまり合理性がないので、当事者の合意だけで成立する諾成的消費貸借契約も、契約自由の原則から、一種の無名契約として認められると考えられます。