民法563条(権利の一部が他人に属する場合における売主の担保責任)

【解説】

売主の担保責任の最初に全部他人物売買というのを説明しましたが、今度は売買の目的物の一部が他人のものであったという場合です。

この一部他人物売買も、解除・損害賠償については、原則どおりです。善意の買主は、解除・損害賠償を請求できるが、悪意の買主は、解除も損害賠償も請求できないということです。

ただ、「一部」他人物売買というのも代金減額請求というのが出てきます。これも、売買の目的物の一部について、売主がこれを買主に移転することができないときは、買主は、その不足する部分の割合に応じて代金の減額を請求することができるというのは理解できると思います。

ここで注意すべきは、悪意の買主にも代金減額請求が認められている点です。

一部が他人の物であることを買主が知っていた場合でも、買主から見れば取得できない部分の代金まで支払わせるのは酷だからです。

ただ、一部他人物売買の場合は、全部他人物売買と異なり、悪意の買主が取得できた部分も含めて全部の売買契約の解除を認めることはできません。

買主は、残存部分は取得できるわけですし、買主は悪意で、一部他人物の部分を取得できない可能性があることを知っているからです。