民法519条(免除)

【解説】

債権者が債務者に対して債務を免除する意思を表示したときは、その債権は消滅します。

つまり、免除は債権の消滅事由です。

また、債権者の債務者に対する一方的意思表示により行うことができる単独行為です。

これを債権者の側からみれば、債権の放棄ということになります。

民法は、このように免除を債務者の意思にかかわりなく、債権者の一方的意思表示により行う単独行為と規定していますが、利益といえども強制されるのが近代法の大原則ですから、立法論的には批判もあるところです。

もちろん、当事者の合意、つまり契約によって債務を免除することも可能です。いわゆる債務免除契約といわれるものです。

このように債務の免除は、債権者の意思表示により行うことができますが、債権が第三者の権利の目的となっている場合には免除をすることはできません。

たとえば、他人の土地の賃借人が借地上に建物を所有し、その建物について抵当権を設定した場合、賃借人が土地の賃借権を放棄(賃貸借上の債務を免除)することは許されません。

抵当権の効力は、借地権にも及んでいるからです。 →民法370条参照