民法399条(債権の目的)

【解説】

本条は、債権というのは、金銭に見積もることができないものでも成立するということを定めています。

これは、取引行為以外の約束についても法律的な拘束力を認めるということを規定したものだと言われます。

判例で、僧侶がある人の祖先のために念仏供養するという約束は、債務として有効に成立するかどうか問題になったことがあります。

つまり、こうそう約束は道義上のものであって、法律上のものではないのではないか、ということです。

判例は、上記の事件では、債務としてこれを肯定しています。

この道義上の約束か、法律上の債務かというのは、具体的にはなかなか判断が難しい場合が多いと思います。

そして、「債権」だということになりますと、強制執行もできますし、不履行の場合には損害賠償も請求することができます。

そして、損害賠償請求権は金銭賠償の原則(417条)が取られていますので、損害賠償請求を行うときには、金銭に見積もる必要が出てきます。

ただ、これは債権自体は金銭に見積もる必要がないという話とは矛盾しません。

債権自体は金銭に見積もることができないものであるとしても、損害賠償は、その債務が履行されなかった場合の財産的、精神的な損害を金銭で填補するものだからです。

適切なたとえかどうかは分かりませんが、人の命はお金に換えられなくても、人が死んだときには金銭で賠償せざるを得ないというのと同じです。