民法377条(抵当権の処分の対抗要件)

【解説】

第376条2項で抵当権の処分がなされた者同士の対抗要件が規定されていたが、これは抵当権の処分がなされた者同士の関係であって、債務者はこのような処分がなされたことを知らない可能性があります。

そこで、債務者等に対する対抗要件を定めたのが本条です。

つまり、この場合には債権譲渡の対抗要件と同様の規定にしたがって、債務者に抵当権の処分を通知するか、債務者の承諾が必要としているわけです。

ところで、この債務者等に対する対抗要件を備えれば、具体的にどういう意味があるのかということを規定しているのが第2項です。

つまり、「抵当権の処分の利益を受ける者の承諾を得ないでした弁済は、その受益者に対抗することができない」ということです。

たとえば、
A:被担保債権1,000万円で1番抵当権者
B:被担保債権1,500万円で2番抵当権者
C:2,000万円の無担保債権者
競売代金:2,000万円

という事例で、AがCに対して抵当権を譲渡し、債務者に通知した場合、債務者はCの承諾を得ないでAに1,000万円の弁済をして付従性による抵当権の消滅を主張しても、この1番抵当権の消滅をCに主張することはできないという意味です。