民法366条(質権者による債権の取立て等)

【解説】

1.質権者による債権の取立て(第1項、第2項)

権利質ですが、質権者のCは、被担保債権の債務者であるAがCに被担保債権を弁済してくれなかった場合はどうするのでしょうか。

質権というのは、抵当権と同様、基本的には換価手続が必要となります。

しかし、権利質に関しては、質権者が、直接債権を取り立てることができます。

つまり、CがBから直接取り立てを行うことができるわけです。

実はこれが、権利質がよく使われる理由です。競売だの何だのという面倒くさいことをしなくてよいわけです。

2.債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来(第3項)

このCの取り立てについてやっかいな問題があります。

この権利質というのは、AB間の債権とAC間の債権が出てきますよね。つまり、AB間の債権と、AC間の質権の被担保債権の2つです。

このAB間の債権の弁済期がAC間の債権の弁済期の先にきたときはどうするかです。

つまり、AB間の債務の債務者であるBは、弁済期が来ているので弁済しないといけないわけですが、この債務はCのために質権が設定されています。そこでBはCに支払えばいいかというと、AC間の債務の弁済期は到来していないので、Cとしては質権を実行するわけにはいかないので、Bの弁済を受け取るわけにもいかないわけです。

かといって、BがAに弁済してしまえば、後にCが質権を実行してきたときにややこしくなります。

だからといって、Bは支払わないと債務不履行責任を問われてしまいます。

こういうときのために、供託という制度があります。つまり、Bは供託所にお金を供託しておけばいいわけです。そして、Cの質権はこの供託金について存続させます。

条文の表現でいうと、「(AB間の)債権の弁済期が質権者の債権の弁済期前に到来したときは、質権者は、第三債務者(Bのこと)にその弁済をすべき金額を供託させることができる。この場合において、質権は、その供託金について存在する。」ということです。