民法149条(裁判上の請求)

【解説】

1.裁判上の請求

時効の中断事由の一つである「請求」ですが、これは債権者が債務者に請求することです。

これは勘違いしやすいんですが、実は単に裁判外で「請求」するだけでは、基本的に時効は中断しません。なんだかんだといっても、結局は、裁判等の強力な手段に訴えなければ、時効は中断しません。

詳しく言いますと、この「請求」には、「裁判上の請求」と裁判外の請求である「催告」があります。

「裁判上の請求」は、簡単に言えば、相手を裁判所に訴えることです。いわゆる「裁判」です。

これは、はっきりした権利の主張であり、時効はピタッと止まります。

この裁判上の請求は、給付の訴えだけでなく、確認の訴えでも、形成の訴えでも、また反訴の形でも時効は中断するといわれます。

上図を見て下さい。この事例で、自己の債権を質入れした債権者Aは、自ら取り立てを行うことができません。質権者のCが直接取り立てを行うわけです。 →民法366条参照

したがって、債権者Aは「給付」の訴えを提起することはできません。そこで、この債権の存在の確認の訴えを提起して、時効を中断することができるわけです。

このように、確認の訴えは、時効中断を目的として提起されることが多いようです。

2.訴えの却下等の場合

ただ、この裁判上の請求に関しては、「訴えの却下又は取下げの場合には、時効の中断の効力を生じない。」という点を覚えておいて下さい。

「訴えの却下」というのは、裁判の要件を満たさずに、裁判所に訴えを却下される場合、つまり門前払いです。

「訴えの取り下げ」というのは、原告(債権者)が、一旦は訴えたが、自分の訴えを自ら取り下げることです。

いずれも、結局は裁判所でまともに審理されず、訴えは途中で終わっています。これでは権利の主張としては不十分なので、時効は中断しません。