民法13条(保佐人の同意を要する行為等)

【解説】

1.保佐人の同意を要する行為

被保佐人は、「精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分である者」であり、「一定の重要な行為」を行うには、単独で行うことはできず、保佐人の同意を要する。

それでは、被保佐人が一人で行うことができない一定の重要な行為とは何かですが、10個あります(第1項1号~9号、及び第2項)。

内容的には大雑把に9つ+1つという形で覚えておいて下さい。第1項1号~9号は具体的ですが、第2項はその人の状況に応じて、家庭裁判所が裁量で指定する行為です。

これらの行為は重要なので、被保佐人は一人で行うことができません。一人で行えば、その契約等を取り消すことができます。

2.不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為(第1項3号)

不動産などは高額なものであり、これを判断能力の「著しく不十分」な保佐人に一人で行わせることができないのは理解できるでしょう。

具体例としては、不動産の売買契約などが典型です。被保佐人は、不動産の売買契約のような重要な契約は一人で行うことができません。

3.第602条に定める期間を超える賃貸借(第1項9号)

民法602条に定める期間の賃貸借というのは、いわゆる「短期賃貸借」ですから、それを「超える」賃貸借というのは、簡単に言えば長期の賃貸借です。

賃貸借というのは、人に物を貸すだけなので、いずれ自分の手元に戻ってきます。その意味では、売買契約と違って、重要度は低いといえます。

しかし、長期にわたって人に貸すとなると、なかなか戻ってこないので、被保佐人一人で判断させるのは、危険だ!ということです。

それでは、どれくらいの期間ならば、「長期」といえるのか?これは細かい話のようですが、実際には各種試験に出題されていますので、絶対覚えて下さい。しかも、正確に覚えて下さい。曖昧な覚え方では、試験ではやられますよ。

  1. 山林の賃貸借…10年
  2. 土地の賃貸借…5年
  3. 建物の賃貸借…3年
  4. 動産の賃貸借…6ヶ月

上記の期間を「超える」賃貸借が、長期の賃貸借になり、被保佐人は単独で契約することができません。この期間は、ゴロ合わせで、「トウ ゴー サン ロク」と覚えます。

この「超える」というのは非常に重要です。「超える」と「以上」の違いは分かると思いますが、「以上」というのは、その数字も含みますが、「超える」というのは、その数字は含みません。

したがって、土地の賃貸借で5年を超えるというのは、「5年」というのを含みませんので、「5年きっちり」というのは、長期の賃貸借ではなく、短期の賃貸借になりますので、被保佐人は単独で契約することができます。

また、被保佐人も被補助人も「日常生活に関する行為」は一人でできます。一番能力のない成年被後見人でも、一人でできるわけですから、それより能力の高い被保佐人・被補助人は一人でできて当然です。