民事訴訟法394条(督促異議の却下)

【解説】

本条は、督促異議が不適法である場合に、簡易裁判所が督促異議を却下しなければならない旨を規定した条文です。支払督促は、簡易裁判所の書記官に対して申し立てますが、督促異議の審査は簡易裁判所が行います。

簡易裁判所は、督促異議の申立てが不適法であると認めれば、却下の決定を行いますが(第1項)、その決定に対しては即時抗告をすることができます。

逆に、適法であると認めれば、適法性を確認する裁判をすることなく、通常訴訟へ移行するという効果を生じ、これに対して争うことはできません。

なお、第1項で「督促異議に係る請求が地方裁判所の管轄に属する場合においても」とありますが、これは、異議申立てだけでは事物管轄による訴訟継続は生じず、異議申立てが適法だと判断されたときに、事物管轄による訴訟継続が生じる(第395条)ということを意味しています。

次に、本条は「督促異議」としか書かれていませんので、督促異議が仮執行宣言が付される前になされる場合と、後になされる場合の両方を含んでいます。

そして、仮執行宣言が付される前の督促異議が不適法却下されますと、裁判所書記官は、債権者の申立てにより、仮執行の宣言をするという流れになります(第391条)。

仮執行宣言が付された後に督促異議が不適法却下されますと、確定判決と同一の効力が生じます(第396条)。